就活でAIを使っている学生のうち、54.5%がそのことを周りに言っていないという調査データがありました。
私は、エントリーシートは考えの整理や壁打ちにAIを使い、文章そのものは自分の言葉で書くのがいいと考えています。
この記事では、株式会社データインサイトの調査を紹介しながら、就活でどこまでAIに任せるかについての考えをお話しします。
数字はすべて、同社がnoteで公開した記事(2026年10月29日)からの引用です。
調査の概要|大学生・大学院生300人が対象
紹介するのは、株式会社データインサイトが2026年7月に大学生・大学院生300人を対象に行った調査です。
授業や就活、人間関係など、場面ごとのAIの使い方と依存度を調べています。
いつもは自分の考えやノウハウを話していますが、今回は少し系統を変えたデータの紹介回。
記事を眺めていて、驚く数字がいくつもあったので取り上げることにしました。
1|AIを使う場面は授業の課題・レポートが89.0%で最多
1つ目は、学生がAIを使う場面のランキングです。
7つの場面それぞれで、AIを使っている人の割合を尋ねています。
利用率は、その場面が自分には当てはまらないと答えた人を除いて計算されています。
授業や卒論で80%を超えているのは、正直びっくりしました。
さらに驚いたのは、恋愛・人間関係や悩みごとでも65.4%が使っていること。
一番低いサークル・部活動でも56.8%と、半分を超えています。
記事でも、学業の道具として入ってきたAIが私生活まで届いていると書かれていました。
2|「AIがないと成り立たない」は最高でも44.0%
2つ目は、どこまでAIに頼っているかを尋ねた結果です。
「AIがないと成り立たない」と感じる場面を、AIを使っている学生に複数回答で聞いています。
- 授業の課題・レポート:44.0%
- 卒論・研究:23.8%
- 試験勉強:22.2%
- 就職活動:21.8%
- 恋愛・人間関係や悩みごと:13.1%
記事では「最高でも44.0%」という見出しでしたが、私はむしろ多いと感じました。
AIを使っている学生の4割以上が、授業の課題はAIがないと成り立たないと答えているわけです。
今の大学生や大学院生が社会人になったとき、この依存度で大丈夫なのかというのが、私の第一印象。
私自身も毎日AIを使っていますが、学生のうちにここまで頼っていることには少し心配になります。
何かに取り組んでいる学生ほどAIを使っている
調査では、取り組んでいる活動によって利用率に大きな差があることもわかりました。
就職活動中の学生は、全員がAIを使っていました。
何にも取り組んでいない学生との差は、62.9ポイントです。
3|就活での用途はエントリーシート作成が45.3%で最多
3つ目は、就活のどの場面でAIを使っているかという結果です。
就活をしている学生のうち、何らかの場面でAIを使っている人は86.2%でした。
面接の練習でも3割を超えていますが、一番多いのはエントリーシートの作成。
文章を作る場面でAIを使う学生が多いことが、このデータから読み取れます。
4|就活でAIを使う学生の54.5%が周りに言っていない
4つ目が、今回いちばん取り上げたかった結果です。
就活でAIを使っている学生134人に、そのことを周りに話しているかを尋ねています。
周りに話しているか(就活でAIを使う134人)
- 使っているが、あまり人には言っていない:54.5%
- 周囲にオープンにしている:45.5%
使っているけれど人には言っていない学生が、半数を超えていました。
とはいえオープンにしている学生も45.5%いるので、ざっくり半々です。
なお、この134人は、先ほどの86.2%とは別の質問で数えた人数です。
「86.2%のうちの54.5%」とは読めない点に注意してください。
言っていない理由は、この割合だけではわからない
調査で尋ねているのは、周りに話しているかどうかだけです。
AIを何に使ったかと周りに話したかは別の問いなので、話していない理由まではこの数字からわかりません。
ここからは、あくまで私の仮説です。
- 企業からどう見られるかが気になり、オープンにしにくい
- 就活は自分の力でやるもの、という昔からの風潮が残っている
- 大学も、授業やレポートほどは就活でのAI活用を積極的に進めていない
授業やレポートではかなり浸透していても、就活の場面になると気が引けるのかもしれません。
5|私ならエントリーシートのどこまでAIに任せるか
私の考えは、エントリーシートや履歴書の文章は自分で書こうというものです。
就活でAIを使うこと自体は、悪くないと思います。
古い考えにとらわれているだけかもしれませんし、どの口が言うのかと思われる可能性もあるでしょう。
それでも、文章の作成は自分でやるべきだというのが今の考えです。
大学4年生のころ、就活ではAIを使わなかった
私が大学4年生のころは、ChatGPTが出てから1年目くらいでした。
当時からパソコン関係の副業をしていたので、一般に使えるようになってから1〜2か月後には触り始めています。
卒論でも使っていた記憶があります。
ただ当時は性能がそこまで高くなく、文章を作らせたのはほんの一部で、自分でも添削やリライトをしていました。
履歴書やエントリーシートなど、就活の場面では一度も使っていません。
使っていたのは、ITやパソコンが好きな一部の学生くらいだったと記憶しています。
今は社会人としてビジネスを立ち上げ、Claude CodeやChatGPTに課金して毎日使っている身。
AIをかなり使っている側の私でも、エントリーシートの文章は自分で書くべきだと考えています。
私とAIの付き合い方
公開直後
大学4年生
社会人の今
Claude CodeやChatGPTに課金して毎日使う
整理や壁打ちには使い、文章の生成は任せない
考えを整理する壁打ち相手としてAIを使うのはありだと思います。
たとえば、次のような使い方です。
- 書き出しをどうするか考える
- 書きたいことがたくさんある中で、どれを選んで書くか整理する
- 企業の理念や求める人材像に合わせて、自分の経験やガクチカをどう落とし込むか考える
- 自分で書いた文章を添削してもらい、リライトする
一方で、文章そのものをAIに作らせるのは好ましくないと私は思います。
AIに作らせると、どうしても形にとらわれた文章になりがちだからです。
自分の経験や価値観、これまで見聞きしてきたことを踏まえて、はじめて書ける文章があります。
AIに感情の面まで汲み取ってもらうのは、なかなか難しいと私は思っています。
自分の経験をしっかり学習させて設定するならまだしも、そこまでできる学生は少ないはず。
自分の経験や価値観を踏まえて、自分の言葉で書く。今回の調査データを見て、私はそれが大事だと感じました。
まとめ|就活のAIは整理に使い、ESは自分の言葉で
就活でAIを使う学生のうち、54.5%がそのことを周りに言っていないという調査を紹介しました。
- AIを使う場面は、授業の課題・レポートが89.0%で最多
- 就活での用途は、エントリーシートの作成が45.3%で最多
- 就活でAIを使う学生の54.5%が周りに言っていない(理由はこの数字からはわからない)
- エントリーシートは整理や壁打ちにAIを使い、文章は自分の言葉で書く
ただし、これは300人を対象にした調査です。
男女比や都道府県ごとの内訳は書かれていないので、鵜呑みにせず、一部のデータとして受け止めてもらえたらと思います。
エントリーシートを書くときは、応募先の指示も確認しておきましょう。
何をしたのか、なぜそうしたのかを自分の言葉で答えられるかも、書く前に試してみてください。
エントリーシートや履歴書には、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)を書く欄がたいていあります。
ガクチカが見つからない人は、関連ポッドキャスト「「ガクチカがない」と思う大学生へ。授業やプライベートから探す3つのヒント」もあわせて聞いてみてください。

「ガクチカがない」と思う大学生へ。授業やプライベートから探す3つのヒント【ポッドキャスト】
ガクチカがない大学生も、派手な実績を作る必要はありません。苦労した授業や課題の書き出し方、プライベートやアルバイトからの洗い出し、STAR法での結果と学びの整理を、不登校から大学を首席で卒業した筆者が解説します。